年金、もっと知りたいな。―女性に贈るみわ子さんの年金絵本高橋 秀樹 /菅野 美和子
ビーケイシー 刊
発売日 2004-09
誠実な姿勢に好感 男性にも是非! 2005-09-02
著者の社労士が発行している殿堂入りメールマガジンをまとめた一冊。氏のメルマガは私も購読しているが、ソフトな語り口も然ることながら、話の切り出し方がものすごく絶妙で、本書でもその魅力が如何なく発揮されている。「●●の場合はどうなの?」といった実務的な情報はもちろん、年金制度の問題点や課題に対する言及も正鵠を射ており本質的。こうした著者の姿勢の根底にあるのは「年金制度は皆で支え合って行くべきもの」という良心・理念であり、特に15ページの「厚生年金の創設が軍事費調達をも視野に入れてた」旨のくだりに、著者の人間味が如実に表れているように感じる。同じ史実を「戦争=悪」のイメージと結び付けて「今の年金制度は全てダメ」「こんな制度は潰してしまえ」と短絡的にのたまう革新・労組系評論家とは対極的(←これって、人を出自や門地だけで評価する差別思想の最たるものではないか)。こういう所にその人の本性というか人間性が滲み出ることを改めて実感した次第。いずれにせよ、今後の年金改革に必要なのは「国民vs政府による分捕りあい」という対決姿勢ではなく、「国民と政府が共に支え合う」共生の姿勢ではないだろうか。
最後に、最も感銘を受けた箇所を引用させていただく。(引用:15ページ)だれにも、人に知られたくない過去があるものです。厚生年金も、過去を知られたくないのかもしれません。でも、過去は過去でいいのです。これからどんなふうにして、私たちにとって住みやすい家にしていくかが問題です。ただ、過去を振り返ることで、未来への警告ができると思いませんか。同じことを繰り返さないために。(引用終)
中身を見る≫


